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今回無料でお読みいただける記事は、「残業なし奮戦記」です。ぜひご一読ください!

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残業なし奮戦記

残業をなくせ。明るいうちに帰宅せよ。そう言われたら、すぐに実現できるだろうか。取引先との連絡がある。明日の会議の準備がある。営業報告書を作らなくては――そう簡単にいくものか。働き方改革といわれても、仕事が減らなきゃどうにもならない。味の素の「残業なし」の号砲は、社員の戦いの始まりだった。

#01
会議と移動は時間泥棒 味の素の本気

東京駅の東側、八重洲口の改札を出ると、古いオフィスビル街が広がる。あちこちで再開発が進んでいるとはいえ、ビルの谷間には昭和の香りが色濃く残る。日が落ち、空の色が濃くなると、東京駅に向かって帰宅する会社員の群れが現れる。古き良き居酒屋からは笑い声が聞こえる。 しかし、オフィスビルの明かりは消えない…

#02
アフター4で大学院
社員が手にした新世界

会社を出る。まだ明るい。さあ、どうしよう。こんな時間に帰ったら、家族は歓迎してくれるだろうか――ふと気づくと、会社の外に居場所がなくなっていないか。味の素の午後4時30分終業は、会社以外の居場所づくりを社員に迫る。

#03
減らした書類はビル3棟分
ムダな仕事消える

会社の中を見渡してみる。働く社員、デスクに椅子、パソコン、ファイル、そして、紙。社内で最も数多く存在するもの、それはおそらく紙だろう。紙は仕事を生む――余計な仕事も生む。紙を減らせば仕事も減るのではないか。そう考えた男がいた。

#04
製造現場も在宅勤務
常識覆した工場長

「どこでもオフィス」。味の素が2017年4月に導入した拡大版在宅勤務制度だ。とはいえ、これは本社など事務・営業部門の話。製造ラインを動かす工場では、現場を離れられるはずがない――だが、工場長は考えた。工場にいなくたってラインは動く、と。

#05
早帰りの限界? 7時間労働撤回の真意

早く帰れ。労働時間を減らせ。味の素は、会社を挙げてまい進してきた。だが、それだけでいいのか? ここへ来て、社長は迷い始めている。そもそも何のために労働時間を減らすのか。世界と戦うためなのだ。